(2000.12.2)
(光文社、石原慎太郎著)

いやー言ってくれます東京都知事。最近パチンコ税やディーゼル税などで話題をかっさらっていますが、今日の日経朝刊の東京都の広告には本人も出演し、「1日に12トンもの粒子状物質が東京都内には落とされている」といっていつものペットボトルをふっていました。強い東京都知事である。ほんと。

さて、この著書は、白人相手の国際政治は、彼らの白人以外の民族を差別する気持ちがある限り、いつまでたっても彼らを信頼し、彼らのヒューマニズムを期待することは滑稽であり、いつか日本は彼らに奴隷とされてしまい一方的に支配されるだろう、という話だ。

最後には東アジア憲章を持って我々東アジア諸国は立ち上がり、白人社会と対等な地域経済を養っていかなければならない、ときた。その東アジア憲章が載っているのだが、今から60年前の大東亜共栄圏憲章の大東亜の部分を東アジアに変えただけ。それでも現代に通じるものがある、らしい。

アングロサクソンのアジア人に対する蔑視、自分もあると思うなぁ。会田雄治の「アーロン収容所」にも結構読んでいるだけで反吐が出そうな差別シーンもあったが、自分自身経験していないから威張ったものじゃないが、過去に渡米したときにあまりの露骨な差別に吃驚したこともある。そのときは黒人に対する差別的な発言だったのだが、ごく自然にそれが米国人の口から出たので、かえってこっちがどぎまぎしちまった。

同じ人間を差別する姿勢、日本人にもあるが、将来もなくならないものなのかねぇ。